米粉を使い始めたきっかけ。利点と難点。

2021年頃から薬膳お菓子を作りたいと思い、さまざまに試行錯誤してきました。砂糖の甘さを棗の甘さに一部置き換えるなど工夫していましたが、グルテンフリーにすれば、グルテン不耐性のある方にも楽しんでもらえるのではないかと考えたのが、米粉に注目した大きな理由です。

当時は四毒抜き(砂糖・小麦粉・乳製品・植物性油脂を排除する食事法)が今ほど注目されておらず、まだ一般的ではありませんでした。しかし、グルテンがアレルギーを引き起こす可能性があるという情報は広まりつつあり、米粉の優位性も語られ始めていました。

砂糖の代わりに麹甘酒を使うレシピも試しましたが、コストや手間がかかる上に日持ちしにくく、「とても贅沢だけれど扱いづらい健康お菓子」になり、実用面では難しさを感じました。

小麦粉は、混ぜすぎると生地が固くなるという特徴がありますが、米粉にはそれがありません。この点はとても扱いやすいと感じています。一方で、米粉は配合する食材によって生地がまとまりにくくなる場合があります。特にクッキーは顕著で、型抜きする前に生地を2〜5分ほど冷凍庫で冷やすと、扱いやすくなります。

薬膳クッキーをポップアップで販売していた際、「米粉のクッキーはパサパサする印象があるけれど、これはそうではない」と言われたことがあります。確かに、しっとりさせるにはバターの量をやや多めにする必要があり、さらにレモン果肉や果汁を加えると風味も良くなります。ただ、その分割れやすくなるため、真空パックにして動かないように固定していました(写真の陳皮とレモン入り紫芋クッキー)。サムネイル写真は米粉のフィナンシェです。

米粉パンの現状について

ところで、パン屋さんで「米粉パンを扱っています」と聞き、どれくらい米粉を使っているのか尋ねると、多くのお店が「米粉10%程度」と答えます。スーパーの「米粉パン」と表示された商品も、実際には小麦粉が主で、米粉は一割ほどというケースがほとんどです。

一方、亀田製菓さんの米粉100%の「お米パン」は、一斤の固まりで売られています。以前はスライスする際に生地がぽろぽろ崩れましたが、最近は改良され少し扱いやすくなったようです。冷やして切ると、より切りやすいかもしれません。

美味しさが止まらない快楽報酬系の小麦粉

実は、私は、子供の頃から大のパン好きでした。洋風のカレーやシチューなら夕食でもパンを主食にして平気でした。実際、一人暮らしの頃は、夕食がパンとカレーやシチュー、洋風のおかずという組み合わせもよくやりました。結婚してからもご飯が足りない時は、自分だけパンを食べていました。
極めつけは、自分史上最大のデブだった一人目の妊娠時、手作りパンの総菜パンと甘いデザート用にするパンを計4個ぐらい平気で食べていました。そしてピザやピザパンが大好きでした。

小麦粉はなんであんなに美味しいのか、それが、快楽報酬系の食材だからだと知ったのは、子供も巣立った頃、吉野ドクターのYoutubeを視聴してからでした。道理で合点がいきました。
酷い花粉症は、既にお茶で克服していました(過去記事)し、米粉でお菓子作りもしていましたが、天ぷら定食は食べに行っていましたし、お好み焼き屋やイタリアンのスパゲティも食べに行っていました。

四毒抜きの実践と変化

小麦粉、砂糖、乳製品、植物油脂を避ける四毒抜き。疾患が改善したという声をYouTubeで見て、まずは小麦粉だけでも抜いてみようと2022年頃に試しました。病気がない私の場合、どんな変化があるのか半信半疑でしたが、意外なことに「食欲のコントロール」という効果を感じました。

特に、甘いものへの依存が薄れていったことが印象的でした。あれほど好きだったチョコレートを買いたくならなくなり、百貨店のキラキラしたケーキも、砂糖と小麦粉とバターと生クリームの塊だな、と冷静に見られるようになりました。勿論、カフェに入れば、チーズケーキを食べたくなることもありますが、依存的にはなりません。

そのうち、煮物おかずの砂糖をみりん多めに置き換える作り方に変えました。チャイをアパレルのポップアップで販売した時も砂糖は使わずみりんシロップでした。また豆乳を使いました。
トルコに行った時は、ロクムの美味しさに嵌り、依存がぶり返したようですが、バクラバの甘さは苦手でした。
総じて、小麦粉や砂糖を極力排したメリットで最も大きいのは、チョコレートを欲しがらなくなったことと言えます。

乳製品は豆乳に変えましたが、豆乳もだめなんですよと言う人がいます。実際、疾患がある人は外すに越したことはないようですが、ごく健康なら飲みすぎなければ全く問題ないでしょう。
これで、小麦粉の他に、砂糖を少なくする、乳製品を排除する、が出来ました。

一番難しいのが植物油を抜くことですが、これは、きんぴらごぼうを多めのみりんで煮て炒めることで可能です。鶏肉なら脂身を下にして油を出させ、その油で肉や野菜を炒めるとほんとに素晴らしいさっぱりした味覚が感じられます。

でもやり過ぎると社会生活が壊れる場合もあるので、病気でないなら、たまには、食を楽しむために一毒や二毒ぐらいいいではないですか。

血と気を補う米粉パウンドケーキ

この間、薬膳アフタヌーンティーワークショップを開催した時に、竜眼肉と人参のパウンドケーキを参加の皆さんに召し上がっていただきとても好評でした。レーズンの入った人参ケーキは、定番でバランスの取れた組み合わせです。竜眼肉と人参のパウンドケーキも同じく養血作用がある竜眼肉(固い殻に入っている実)と気を補う人参の組み合わせです。

米粉だけだとボロボロとまとまり悪いので、アーモンドプードルを入れ、焼きあがったらすぐラム酒を垂らし、すぐアルミホイルに包み、余熱取れたら冷蔵庫で冷まします。この配合と作業が米粉パウンドケーキのまとまりをきれいに仕上げるポイントのようです。以下レシピを載せています。ご参考になれば幸いです。にんじん粉は、結構使います。北海道の「北あかり」さんの粉を買いました。

材料

バター       100g                        (アーモンドプードル)小さじ2

お好みの砂糖   60g      (くるみくだいたもの)小さじ2上掛け

全卵       2個       ラム酒

米粉        100g

にんじん粉    20g

竜眼肉      10個をみじん切り

アーモンドプードル10g

BP        5g(少な目にする)

シナモン     小さじ2

生姜パウダー   小さじ2

作り方

1.バターと全卵 室温に戻す。卵白をハンドミキサーで角が立つまで泡立てる

2. バターを白っぽくなるまで混ぜる

3. バターに砂糖をイレ、クリーム状になるまで混ぜる 

4. 卵黄 卵白を入れ乳化させる

5. 米粉を入れる 人参の粉を入れる 粒が無くなるまでスパチュラで混ぜる

6.刻んだ竜眼肉を混ぜる

7.生姜パウダー小さじ2 シナモン小さじ2入れる BP入れる

8.180℃にオーブン予熱

9.ペーパー敷いた型に流し込む 中心へこます くるみ乗せるトントン上下して中の空気抜く

10.   170℃で10分焼く 出して切り込み入れ再度12分焼く

11.   串で穴開けて、ラム酒をしみこませる 包んで冷ます


以下の写真は、お出ししたケーキではなくアーモンドプードルが入っていないややポロポロするものです。