粉モン食材が、ご飯よりも沢山食べたくなるワケ
粉モン文化の大阪は、お好み焼きやたこ焼きの美味しい店が沢山あります。ご飯に焼きそばやお好み焼きがセットになった定食は、どうやらお好み焼きやたこ焼きをおかず扱いする食べ方のようです。美味しいお好み焼きは、ソースとマヨネーズの美味しさもあってもっともっととついつい沢山食べてしまいます。それは、小麦粉だから。小麦粉が「快楽報酬系の食べ物」と言われるのは、脳の報酬回路を刺激しやすい特徴を持っているから。具体的には、以下のようなメカニズムが関わります。
血糖値が急に上がりやすい(=脳が快感として感じる)
白い小麦粉は消化が速く、血糖値を急上昇させやすい食品です。
血糖値が上がると、脳は「エネルギーが入った!」と判断し、快感の神経伝達物質であるドーパミンを出します。それで、食べた瞬間に気持ちよくなるので、また食べたくなるのです。
グルテン由来の『エクソルフィン』が脳を刺激するんだって
エクソルフィンとは小麦のタンパク質(グルテン)が体内で分解される過程で生成される物質で、モルヒネのように脳の受容体に作用して快感や多幸感をもたらし、小麦製品への依存性(やめられない感覚)を引き起こすと考えられています。パンやラーメン、うどん、ケーキなど小麦製品を食べたくなる「中毒性」の要因の一つとされ、健康リスク(腸の不調、アレルギー、肥満など)との関連も指摘されています。
小麦のたんぱく質・グルテンが消化される途中でできるペプチド(グリアドモルフィンなど)はわずかながら オピオイド様作用(軽い鎮痛・ほっとする感覚) を持つと言われています。
「なんか落ち着く」「食べると安心する」と感じる人がいるのはここ。
脳が次も食べたいと思う条件がそろいすぎている
小麦粉製品は、報酬系を刺激する要素が複合しています。その中で、最も制限しやすいのは、私は、スナック菓子でした。ポテチですね。何年間も断っていると言っていいでしょう。ポテチ断ち。辛うじておかきにします。次に揚げ物です。家で揚げ物するのは面倒なので遠のけやすいのです。米粉で揚げればいいといっても油は沢山使います。そして、外食の和定食には、美味しそうな天ぷらが付いてるのが多いですね。
そしてケーキは言わずもがなです。
スナック菓子も天ぷらもケーキも柔らかくて食べやすい。だから食べ過ぎになりやすいわけです。
砂糖と組み合わせやすい(ケーキ、クッキー、パン)
砂糖+油+小麦粉は、脳内で「快感の三重奏」になり、依存的な食べ方につながりやすくなります。
やめようと思っても欲しくなる理由 ダイエットの敵
小麦粉は、
・血糖値の乱高下
・軽いオピオイド作用(モルヒネに似た作用を持つ物質が、脳や脊髄、末梢神経にあるオピオイド受容体(μ、δ、κ)に結合することで、強い鎮痛効果を発揮する作用のこと)
・甘味・油脂との組み合わせ
という三段階の刺激で、脳の報酬回路に「また食べたい」を刻み込みます。
だからこそ、パン・ケーキ・麺類・クッキーなどは、気分転換・ストレス対策として食べる人が多い のです。ストレスや悲しみを癒すためにケーキを食べたくなるワケはこんなメカニズムによるのですね。なかなか手ごわいです。
無理なく続く小麦粉をやめたい時のソフトな置き換え案
無理なく続く・脳の満足感を落とさないようにするには?
パンが主食の時の置き換え
- 米粉パン・米粉トルティーヤ
もちもちで満足感が続き、血糖の乱高下が小さい。 - オートミール
食物繊維で満腹感が早いけど食べ過ぎ防止。 - 雑穀&玄米
噛む回数が増え、ドーパミン過剰を防ぐ。
ベトナムの食事がヒントになる時もあります。ライスペーパーは、油も使わず、いろんなものを包んで食べられますし、野菜や肉以外にもフルーツを包めば、デザートになります。白いパンのフルーツサンドよりライスフルーツです。
お菓子の置き換え
- 米粉のクッキー(油控えめ)
- 甘麹・ドライフルーツの自然な甘味を使ったもの
- ナッツ&カカオニブ
→ コク・香ばしさで「快感ポイント」を満たしつつ過食にいきにくい。
米粉のクッキーは、2年前まで「さんよすみ薬膳クッキー」を定期的にネット通販やポップアップで販売していましたが、きび砂糖も入れてますし豆乳バターも入れてます。甘党の人には物足りないようですが、健康志向の方に好評で、薬膳生薬を入れてもうまいです。だからもっと食べたくなるとは言われましたが、小麦粉クッキーほどのドカ食い衝動は起こりにくいですし、食べ過ぎて胸やけすることは無いのが小麦粉との違いではないでしょうか。甘麹は、フィナンシェに入れることもできますね。豆乳ヨーグルトと混ぜて夏はアイスにしていました。
麺類の置き換え
- フォー(米麺)
- 十割そば(実は満腹感が高く、血糖も安定)
- 葛切り(つるっと感が同じ、胃にやさしい)
鍋料理の終わりにうどんを入れるのは、滅茶苦茶美味しいですね。麻薬的な美味しさは、まさに快楽報酬系、ドーパミン出まくって、もうひと玉うどん!と言っていたわけです。最近、お鍋のフォーを入れて食べました。美味しいです。美味しいけど、「おいしかった~」で落ち着きます。
特にもち感・サク感・とろ感など、食感で脳が満足するので、小麦粉以外でも代替は十分可能 です。私は、蕎麦は、蕎麦含有八割以上を食べたいのですが、外食でも市販の生麺でもなかなか無いですね。乾物の十割蕎麦を置いています。年越し蕎麦もそれにしますよ。葛切りは、デザートとしてもいいですね。甘い黒蜜を垂らしたくなりますが、羅漢果や麹餡子など血糖値の上がりにくい甘味料で。
その他の置き換え
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- 米粉パスタや蒟蒻パスタ
- 米粉の餃子の皮
- 豆粉のパンケーキ
インド料理の食材べサン粉などは、豆紛です。たんぱく質が豊富で、筋トレに添加物だらけのプロティンを飲むよりいいかもしれません。米粉の餃子の皮は、少し扱い難い感じですが、使えます。米粉パスタは、美味しいのとそうでないのがあるので試してみてください。
薬膳的にみる快楽食いしやすい体質は?その対策は?
快楽報酬系の食べ物(小麦粉・甘味・油もの)に走りやすい人は、薬膳的に見ると次のタイプが多いです。
気虚(エネルギー不足)タイプ
特徴
疲れやすい 甘いものが無性に欲しい 朝だるい 集中力が切れやすい
理由:気が不足すると脳が早く使える糖を欲する。小麦+砂糖はまさにその代表。
対策食材
山芋 黒米 大豆製品 デーツ 干し芋 棗
持続的エネルギーを補って無駄な渇望を減らす。
血虚(栄養不足でふわふわする)タイプ
特徴
眠りが浅い イライラしやすい 爪・髪が弱い 冷えやすい
理由:血が少ないと落ち着かなさを脳が甘味で埋めようとする。
対策食材
黒ごま クコの実 人参 鶏肉 レバー
血を増やすと甘い物欲求が穏やかに。
脾虚(消化力低下)タイプ
特徴
むくみ 胃もたれ だるさ 甘いものを食べると止まらない
理由
脾が弱いと湿がたまり、小麦粉(湿を生む)でさらに悪化 → 依存しやすいループ。
対策食材
はとむぎ とうもろこし 生姜 陳皮
湿を流して、甘味の渇望を落ち着ける。
肝気鬱結(ストレス食い)タイプ
特徴
ストレスが食欲に直結 プチご褒美がないと頑張れない PMSで甘味欲増
理由
気が巡らず、脳が“手軽に快感を出せる食べ物”を欲する。
対策食材
レモングラス バラ 陳皮 薄荷 黒豆
→ 香りで気を巡らせると快楽食いが減る。
快楽食いをやめやすくする「簡単な薬膳的セルフケア」
香りで肝をゆるめる(バラ茶・レモングラス・陳皮)
温かいスープを常備(脾をサポートして小麦欲を下げる)
食前に10回深呼吸(肝気が整い、欲が半減する)
夜の冷え対策(冷えがあると甘味欲が上がる)
