土日に行くべき雙連朝市は、ご飯もお菓子も薬膳の知恵が詰まっていた

2日目の台北は、診察の日です。それまで、朝市と漢方街に行くのです。まず、雙連朝市(シュアンリェン・チャオシー)へ。日曜だからか、台湾グルメや台湾食材が集結していてとても楽しめました。月曜日にも行って気づいたのですが、注意したいのは、曜日によって当たり外れが激しいようです。月曜に行くとグルメや食材販売は無く、下着やなにかの生活用具など、あまり興味の沸かないアイテムのみ販売されていました。また春節、端午節、中秋節の3つの時期は休業が多いので注意です。

朝市の場所は、油化街からも遠くなく、ホテルから散策しながら歩いて行きました。

肉、野菜、果物、飲み物、お菓子に至るまで、異なったジャンルの店が一同に集結した感じで夜市より普段の生活に根差しているのが眼福でした。
朝ご飯を食べる人のためのおかずやご飯、手にして食べられる饅頭のような類も沢山。

下の写真のこれは、ハーブティーで、様々なブレンドがキットになって販売されていました。見た目もとても可愛いです。試飲を沢山させていただいたので、美味しいタンポポのお茶やフルーツのお茶を買いました。

たんぽぽは、薬膳では、蒲公英(ほこうえい)と呼び、花や全草を使います。漢方としては根のみを乾燥させたものが多いようです。性味は 「苦味・甘味、寒性」 で、主に「肝」「胃」「腎」経絡に関わる(帰経)とされます。清熱解毒、消腫散結(しょうしゅさんけつ)腫物やしこりを散らす効果があるとされ、利尿通淋、英語名の「ダンデライオン」も、フランス語の「ダン=ド=リオン(ライオンの歯)」に由来しますが、利尿作用の強さから「ピサン・ド・リオン(おしっこの草)」とも呼ばれていたそうです。
清肝明目(せいかんめいもく)肝の熱を冷まして目の機能を改善する作用が期待できるようです。

生薬の入ったヌガーと一気に食したドラゴンフルーツ

ヌガーのお菓子を買いました。ナッツなどを挟んで筒状に丸めたものをその場で切って詰められてるというフレッシュなものでした。お土産用では、売っていない食材を使っています。下の写真は、ホテルで食べたそのヌガーです。岩附さんの手にあるのがそうです。それぞれ仙草の入ったものと紅麹の入ったヌガーです。(動画から切り取ったものです)それぞれ半分ずつ分け合いました。お菓子のパックも破れやすいものだったので、ジップロックを持参したのが役立ちました。また白と赤のドラゴンフルーツを買ってもらったので、持参の果物ナイフで半分に切り、そのままスプーンで掬って食べました。

こういうの、食用に、2,3枚あると便利。旅には必須アイテム。

他にも亀ゼリーの一口サイズ版や黒胡麻をタピオカで固めたアンチエイジングとして腎にアプローチしてくれそうなもの、生姜や龍眼肉や棗などを入れて黒糖で固めた生姜湯ブロックまで生活に薬膳が浸透している商品の数々が楽しいです。

紅麹について

紅麹(べにこうじ、紅麴、紅曲)は、麹菌の一種「モナスカス菌を米に培養して作られる発酵食品です。中国を起源とし、台湾や日本を含む東アジアで長い歴史を持つ、天然の着色料・保存料・薬膳素材として重要なものだそうです。
サプリメントとして強力なコレステロール低下作用を持つため、特に既に薬を服用中の方は、注意が必要です。

いざ、わたしの未病を東洋医学で診察

朝市ショッピングを済ませると、油化街に向かいましたが、その内容は、次回の投稿に書くととにして、先に今回の旅の大きなテーマをレポートします。
予約時間に生元薬行の受付に行って、通訳の方とすぐ近くの診療所へ。中医学での4つの診察、望診、問診、触診、聞診が行われました。

中医学の診察法は、通常 「四診(ししん)」 と呼ばれ、以下の4つから構成されます。

望診(ぼうしん):患者の神・色・形・態(顔色、体型、舌の状態など)を視る聞診(ぶんしん):患者の声・息・体臭などを聴き、嗅ぐ問診(もんしん):自覚症状、病歴、生活習慣などを尋ねる切診(せっしん):脈を診る「脈診」と体に触れる「按診」を含む、触る診察。
ここで患者が自覚できないのは、聞診ですが、診察室に入ってくるときの声の張りや息遣いなどで判断されているのと問診とともに行われてるわけです。

予め、英語と中国語に翻訳したものを通訳の方とドクターにお見せしました。私には、現在、これといった疾患が無いのですが、未病で悩んでることは、あります。病院に行っても、未病は、「まあ、あなたも歳だからね。」や病気じゃないから扱いで済ませられることが殆どで、原因解明に右往左往してきました。

ここから弁証論治、やっていただきます。

悩まされている症状、3つの主訴 

その1.蚊に刺された跡など、ケロイド状になりやすくて困る。
その2.顔と首以外、花粉の時期以外でも突然痒みが止まらない時があって困る。肩にぶつぶつが出来て跡がなかなか治らない。
その3.多忙になったり、ストレスが溜まるとお腹が緩くなって困る。

その1は、粉瘤として手術して除去したものもありますが、なんでもかんでも出来るたびにメスを入れたくありません。その2について、カモガヤ原因のとても酷い花粉症をずいぶん昔に克服したのですが、また種類の違う花粉症で、昨年ヒノキが少し原因という検査結果が出ました。でもその後、花粉と関係無い時期にも痒みが出ます。しかも、顔と首に痒みは全く出ないのが、不思議です。自律神経の乱れか何からか原因がわからず、十味敗毒散を飲んでいました。でもあまり成果は出ず少しマシになる程度。(問診で、ここまで詳しくは言っていません)

舌診では、”舌の色は紅で良好、舌の苔が少ない”とカルテに書かれました。油化街で真っ赤の桑ジュース飲んだからもあるのでは?体温36.7  血圧高め。142/87  (今までで最高かも 異国で緊張と少し高揚するからね)

処方された漢方薬

びっくりするほど沢山の種類の漢方薬が出ました。2週間分です。字が読めなさ過ぎるため、通訳の方に改めて漢字を書いていただきました。

ざっと列挙します。

  • 天麻鉤藤飲(てんまちょうとういん)
  • 十味敗毒散
  • 牛蒡子(ごぼうし)
  • 金銀花
  • 防風
  • 朱貝(あけがい)漢方薬名として一般的ではなく、朱砂(しゅしゃ)貝類の生薬(牡蠣、石決明など)との混同の可能性があります
  • 荊芥(けいがい)
  • 藿香(かっこう)

証を立てる(どのような不調か、何が原因の不調か)

ここで肝心かなめの弁証(不調の原因)と立法(どのように治すか)の名前を聴くのを忘れてしまいました! 逆引きAI辞典で調べるしかありません。

私は湿が溜まりやすい体質なのは理解しています。ストレスで腹部症状(下痢)が出る。皮膚症状も「肝」の疏泄失調 高血圧傾向も肝陽上亢の原因に?ストレスは、誰でもあるでしょうというのが私のデフォルトなので、そんなにも私の身体は、やわになったのか?と思います。
さて、証は、以下を立てられたのでしょう。おそらくね。腸と皮膚は繋がっています。証はもちろん複数あります。でも脾に直接アプローチしないのは何故か。

肝陽上亢 (かんようじょうこう)状態である
理由:天麻鉤藤飲が主剤で、これは「肝陽上亢証」(のぼせ、イライラ、高血圧、めまいなど)の第一選択薬だからです。

湿熱蘊膚 (しつねつうんぷ)状態である
理由:十味敗毒散 + 金銀花、牛蒡子、防風、荊芥。これは湿熱(しつねつ)の邪気が皮膚に滞っている状態。かゆみ、ぶつぶつ、ケロイド化しやすい炎症性皮膚症状を主に治療する処方です。

風熱犯表 (ふうねつはんひょう)状態でである
理由:防風、荊芥、牛蒡子、金銀花の組み合わせ。これは「風(ふう)と熱(ねつ)の邪気が体表(皮膚)を侵している」状態。突然のかゆみ発作や、移動するような皮膚症状を指す。

肝鬱化火 (かんうつかか)状態である
理由:天麻鉤藤飲(肝鬱を疏泄し、化した火を清める)と清熱解毒薬(金銀花など)の併用。ストレス(肝鬱)が熱(火)に変化し、それが皮膚(発疹・かゆみ)と内臓(高血圧・下痢)の両方に現れた状態。

漢方薬と生薬の構成効能を調べてみました。漢方薬の場合、大体、最初に記述しているのが君薬、臣薬と呼ばれる代表的薬(割合が多い)になり、あくまでここの診療所ではなく、一般的な処方構成になります。

処方された漢方と生薬の構成

天麻鉤藤飲(てんまちょうとういん)

天麻(てんま) – 鎮痙・鎮静作用 鉤藤(ちょうとう) – 鎮静・降圧作用 石決明(せっけつめい) – 鎮静・降圧作用 山梔子(さんしし) – 消炎・鎮静作用 黄芩(おうごん) – 消炎・抗菌作用 杜仲(とちゅう) – 降圧・強壮作用 益母草(やくもそう) – 利尿・血行促進 桑寄生(そうきせい) – 降圧・強壮作用 夜交藤(やこうとう) – 鎮静・安眠作用 茯苓(ぶくりょう) – 利尿・鎮静作用 牛膝(ごしつ) – 循環改善・降圧作用

この処方は「肝陽を鎮め、内風を息め、熱を清め、血を活かし、精神を安定させる」と考えられています。特に「肝」の機能亢進による上部への気血の上逆(のぼせ、めまいなど)を改善します。

十味敗毒散

これは2か月ほど飲んでいた漢方薬です。構成を改めて見てみます。一般的構成。

柴胡(さいこ) – 消炎・解熱・鎮痛作用 桔梗(ききょう) – 排膿・去痰作用  川芎(せんきゅう) – 血流改善・鎮痛作用 茯苓(ぶくりょう) – 利尿・利水作用 独活(どっかつ) – 鎮痛・消炎作用 防風(ぼうふう) – 発汗・鎮痛・抗アレルギー作用 生姜(しょうきょう) – 健胃・発汗作用 荊芥(けいがい) – 発汗・消炎・止血作用 甘草(かんぞう) – 緩和・調和作用 枳実(きじつ) – 理気・消化促進作用

これらの処方は、表熱を清め、湿毒を除く作用があると考えられています。具体的には、解毒・排膿作用:化膿性の炎症を抑え、膿を排出させる ・抗炎症・抗アレルギー作用:皮膚の炎症やかゆみを緩和 ・利水・湿邪除去作用:体内の余分な水分(湿)を排出 ・活血作用:皮膚の血流を改善

金銀花 これは、お茶として飲んでいたことがあります。単独では、あんまり美味しくなかったです。抗酸化作用  免疫調節作用  抗アレルギー作用  脂質代謝改善作用が期待されます。

防風 風邪を散らし、痛みを止める 風邪初期、関節痛、腹痛下痢など。

荊芥 発疹疾患、出血症状に。

藿香 湿気を除き、胃腸を整える(メインに処方されなかったのはなぜ)

朱貝貝類の生薬 精神を安定させ、肝を鎮める

論治(治療方針)

平肝潜陽 (へいかんせんよう)
手段:天麻鉤藤飲。
目的:高ぶった「肝陽」を鎮め、根本のストレス体質(肝鬱)と高血圧傾向に対処。

清熱解毒 (しょうねつげどく)
手段:十味敗毒散、金銀花、牛蒡子。
目的:皮膚の「熱毒」(化膿性・炎症性の熱)を冷まし、解毒する。ケロイド化しやすい炎症を抑制。

 祛風止痒 (きょふうしよう)
手段:防風、荊芥。
目的:皮膚を襲う「風邪」を取り除き、かゆみを止める。

芳香化湿 (ほうこうけしつ)
手段:藿香
目的:ストレスによる消化器症状(お腹が緩くなる)に対処。脾(消化機能)に停滞した「湿」を芳香で取り除き、胃腸を整える。

鎮静安神 (ちんせいあんしん)
手段:朱貝(朱砂または貝類の鎮静薬と推察)
目的:皮膚のかゆみやストレスによる「精神の不安」や「イライラ」を鎮める。天麻鉤藤飲の安神作用を補強。

結論

中医師の先生は、私の状態を 「肝の失調が根本にあり、それが熱(ねつ)と風(ふう)に変化して皮膚に現れ、同時に脾胃(消化器)にも影響を及ぼしている」 と総合的に判断してくださったと考えられます。

「肝鬱だったんだ私」とつぶやくしかありません。
漢方薬は飲み終わりました。お腹も皮膚も少しマシになりました。体感するのは、少しです。特に十味敗毒散は、なかなか効果が体感できないようです。
処方された薬を初めて白目を半分剥いて粉を飲んだ時は、数十分後にカッと身体の内側から暖かい気が立ち上がったように感じました。意味づけはしませんが、面白い。さて、これからどうしようか?思案しています。漢方薬との相性もあるので、いろいろ試さないとわかりません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。まだお話は終わりません。ここまで読んでいただいた方は、中医学界隈の方か、東洋医学に真摯に向き合ってる方かもしれません。間違いや他の見解があれば、ぜひメッセージをお願いします。書くのに疲れて端折った部分があり、また追記するかもしれません。美容の話でリフレッシュをして次の投稿につなげます。記念写真(ホテルで初めての大量の粉薬を飲む半白目のわたし)

水やお湯に溶かして飲むとむせなくていいです。地獄水のように見えて意外とすんなり飲めます。

懐かしの美容パック玉容散

初回、台北に訪れたのは2015年10月でした。その時に漢方の美容パックが話題になっていて、絶対買おうとタクシーで生元薬行まで行きました。まさか10年以上経て、その隣のホテルに泊まる日が来るとは。人生面白いものですね。現在では、使いやすくおしゃれにリニューアルされ美容パックとして販売されていました。多分成分はさほど変わらないと思うんです。以前は、パックするたびに水で溶かなきゃいけなかったですからね。以下の写真は、2015年のものです。過去ログ消さなくて参考になって良かったです。

これと同じような粉状のものが玉容散として油化街で売っていました。お得に体験するならそれでいいのではと思います。スキンケア商品は、競争の激しい日本や韓国が進んでいると思います。私は、。美容商品は、いつもチェックしてしまって最新成分があるとすぐ散財してしまいます。でもたった500円のお酒化粧水も調子が良くて使ってます。私は、今回は、漢方石鹸と霊芝の入ったジェルを買いました。霊芝は抗炎症作用ありですね。いろいろ試すのは楽しいですね。