糖尿病にもみりんシロップがお薦めなわけ

柚子ジャムを作りました。昨年はきび砂糖とレモンだけ使用しましたが、今回は、本みりんだけで作りました。最近は、チャイを作る時に砂糖をみりんに置き換えたり、お菓子の砂糖の置き換えに使っています。健康情報に詳しくない人達のなかには、みりんなんかお菓子に使って美味しいの?と気持ち悪がる人もいますが、まろやかな甘さがあって馴染みがいいです。ただ、みりんは、液状のため、温かい飲み物や煮物、しっとりケーキに最も使いやすいのですが、クッキーなど乾いたお菓子には使えないのが残念です。なぜ砂糖の代わりにみりんを使う利点は、砂糖に比べ、血糖値の上昇が緩やかだからです。では、身体にどんな影響があるのでしょうか。

砂糖とみりんの比較表

項目みりん砂糖
主な糖質ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖ショ糖(ブドウ糖+果糖)
GI値約40約60~100
血糖値への影響ゆるやかに上昇急激に上昇
消化・吸収速度比較的ゆっくり速い
栄養素アミノ酸や微量のビタミンを含む栄養素はほとんどなし

使えるなら使った方がいいことづくめのみりんですが、基本砂糖で作るジャムは以下が基本です。

手作りジャムに使う材料 砂糖編

ジャムにする果物の他は、砂糖、グラニュー糖、レモン汁使用を使用します。砂糖とグラニュー糖の分量は果物の半分量です。

イチゴやブルーベリーはそのまま使えますが、大きな果物(リンゴ、柚子など)は皮をむき、小さく切ります。

  • 果物と砂糖を混ぜる 鍋に果物を入れ、砂糖とグラニュー糖を加えて軽く混ぜます。そのまま30分〜1時間ほど置き、果物から水分が出てくるのを待ちます。
  • 加熱  鍋を弱火にかけ、混ぜながらゆっくりと加熱します。火を中火に上げて沸騰させ、アクを取り除きます。
  • レモン汁を加える ジャムがとろみを帯びてきたら、レモン汁を加えます。再び混ぜながら5〜10分ほど煮込みます。

砂糖を使ったジャムの作り方をおさらいしたら、次は、柚子などのジャムをみりんで作っていきましょう。

みりんで作る柚子ジャム

因みに柚子は、とても働き者の果実です。皮が温性なので、柿のような身体を冷やすような果物と合わせたデザートにすると冷えが相殺されて重宝しますし、千枚漬けや里芋の煮物、お吸い物から白味噌汁の薬味用に使えます。柚子茶は、居酒屋のメニューにあることが多く、酔い覚ましにも効果的です。

柚子の薬膳的効果

痰を除く 消化不良を改善する 咳を止める 吐き気を止める 胃の不快感を和らげる 鎮咳や去痰の効果 酔いをさます作用などがあります。気の巡りをよくする冬のお助け食薬です。

ジャムの材料になる柚子は以下のような大1個小6個を使いました。

ゆず

蜜柑や檸檬に比べて種が多く、果肉が少ないんですよね。

柚子

皮を剥いて千切りにしたらこんな感じで大した量にはなりません。

柚子の皮

みりんは200mlぐらいを目安にして半分ずつぐらい入れていきます。前もって皮に数時間付けてもいいかもしれません。

みりん

こんな感じで皮と果汁とみりんを一緒に入れて弱火から中火で煮詰めます。
柚子
ぬめりある種も一応入れて煮詰めます。残りのみりんを足して調整していきます。

煮詰めが、程良いころにいちごやオレンジならレモン汁を追加しますが、柚子は柚子汁だけでいきます。味見して、いけるようでしたら、 熱いうちに消毒した瓶に流し込み蓋をします。みりんと柚子だけで作った無添加のジャムが出来上がりました。あんなに沢山あった柚子からこんな瓶ひとつの濃縮されたジャムが出来ました。
本当は皮の内側の白い部分ももっと入れた方が良かったです。ペクチンが含まれているからです。

柚子ジャム

スーパーで中サイズのジャム瓶1個600円~ぐらいの値段が相場です。勿論、大量生産やサービス精神からの安さもありますが、作ってみると1500円ぐらいでも採算が合いません。お手頃値段のジャムは必ずかさもたせが入っています。ほぼ無添加なら、そんなに安い値段で出来ないはずですし、保存期間も長く持つはずはありません。原材料の記載を見てみても少し書いていなくて不思議な瓶もありますが、加工品としてジャムを作る場合に、砂糖や塩などの加工助剤を使用しても最終製品には残らないため、表示されていない場合があるようです。手作りだと調味料以外は100パーセント果汁と果肉です。

市販のジャムに入っている添加物

ゲル化剤(ペクチン)ジャムにとろみをつけるために使用。天然由来のもの(果物や海藻)から抽出されることが多い。

酸化防止剤(アスコルビン酸など)果物の変色を防ぎ、鮮やかな色を保つために使用。

保存料(ソルビン酸カリウムなど)ジャムの保存期間を延ばすために使用。

酸味料(クエン酸など)味を調整し、フルーツの酸味を引き立てるために使用。

着色料 見た目を美しくするために使用。天然色素や人工着色料が使われる場合がある。

香料 フルーツの香りを強調するために使用。天然香料や合成香料が含まれることがある。

甘味料(ソルビトール、ステビアなど) カロリーを抑える目的で使用されることがある。

手作りのジャムでは、酸化防止剤の代わりや酸味料の代わりにレモン汁を使用しゲル化剤の代わりに果実の内側の白い皮を使うことになります。

しかしペクチンは天然で作れます

ペクチンの少ない果物は、イチゴ サクランボ ブルーベリー 桃です。ペクチンは天然から作ることができるようです。
リンゴの皮や芯 柑橘類の皮を水で煮出し、漉して取っておき、ジャムのとろみ付けに使います。白いワタの多い文旦のような柑橘類は、ワタもふわふわペクチンになります。

砂糖とみりんの糖質の違い

さて、折角、みりんでノンシュガージャムを作ったので、砂糖とみりんの糖質の違いに再び戻ってピックアップしてみましょう。

砂糖の糖質の種類

砂糖の主成分はショ糖です。ショ糖は体内でブドウ糖(グルコース)果糖(フルクトース)に分解されます。

  • ブドウ糖:直接エネルギー源となり、血糖値を素早く上昇させます。
  • 果糖:直接血糖値を上げませんが、過剰摂取は脂肪蓄積を促進する可能性があります。

血糖値への影響

砂糖は消化吸収が早く、血糖値を急激に上昇させる特徴があります。これは特に精製された白砂糖(GIが100の可能性も)で顕著です。
→出来るだけ白い砂糖を避けて、きび砂糖、黒糖などを使うことも推奨されています。

栄養面の特徴

  • 精製された砂糖にはビタミンやミネラルなどの栄養素はほとんど含まれていません。
  • カロリーが高く、過剰摂取は体重増加や生活習慣病のリスクを高めます。
  • 消耗の激しい登山など、エネルギー補給がすぐ必要な場合は、効果的です。

みりんの糖質の種類

みりんに含まれる糖質は、以下のような種類が主です:

  • ブドウ糖  直接エネルギーとして利用され、血糖値を緩やかに上昇させます。
  • 麦芽糖   ゆっくりと吸収されるため、血糖値の急激な上昇を抑えます。
  • オリゴ糖  一部は消化されず、腸内環境を整える作用があります(砂糖に比べ血糖値への影響が少ない)。

みりんは発酵食品のため、発酵過程で作られたこれらの糖質が含まれています。

血糖値への影響

みりんはGI値が約40と低めで、血糖値の上昇が比較的穏やかです。また、みりんには微量のアルコールが含まれており、アルコールが糖質の吸収を遅らせることで血糖値の上昇を抑える作用があります。

まとめ

  • みりん:血糖値の上昇が穏やかで、料理にコクや旨味を加えます。糖質の吸収が遅いことから、健康面で砂糖より優れています。
  • 砂糖:血糖値を素早く上昇させ、エネルギー補給には便利ですが、過剰摂取は肥満や生活習慣病のリスクを高めます。
    料理の用途や健康状態に応じて、適切に使い分けることがおすすめです。
  • ジャムの添加物でかさもたせしないと安いジャムは作れないことを念頭に置いて買い物をしましょう。
    ジャムを手作りするときは、果物の白い皮やリンゴの芯を天然のペクチンとして使いましょう。

 

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